放射線治療の口内炎で食べられない|食べやすいものと相談の目安

放射線治療の口内炎で食べられないときに、食べやすいものを解説する記事 放射線治療

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本記事で紹介する食品やサービスは、放射線治療による口内炎を治療するものではありません。口内炎の症状や食事量、水分摂取について不安がある場合は、治療を受けている医療機関へご相談ください。

「食べなければいけないのは分かっている。でも、痛くて食べられない」

放射線治療中の患者さんから、このような悩みを聞くことがありました。

ご家族も医療者も、食事量が減っていると心配になります。

そのため、

「今日はどれくらい食べられた?」
「もう少し食べられない?」
「何なら食べられそう?」

と、何度も声をかけてしまうことがあります。

けれど、本人も食べたくないわけではありません。

食べ物が口内炎に触れる。
飲み込むと痛む。
次の一口を入れるのが怖くなる。

外からは見えにくくても、その痛みは本人にとって切実なものです。

食べられないのは、意志が弱いからではありません。

口内炎の痛みが強いときは、「何でもいいから食べなければ」と頑張るより、刺激になりにくい食べ物や食べ方の工夫を知っておくことが役立ちます。

この記事では、次の内容をお伝えします。

  • 放射線治療で口内炎が起こる理由
  • 痛みが強いときに避けたい食べ物
  • 比較的食べやすいもの
  • 一度に食べられないときの工夫
  • 市販品や冷凍のやわらかい食事を利用する方法
  • ご家族の声のかけ方
  • 次の診察日を待たずに病院へ相談したほうがよい状態

一度にたくさん食べられなくてもかまいません。

ただし、水分も取れない状態や、ほとんど食べられない状態が続くときは、食事の工夫だけで乗り切ろうとせず、早めに治療を受けている病院へ相談してください。

放射線治療で口内炎が起きるのはなぜ?

放射線治療による口内炎は、医療的には「口腔粘膜炎」と呼ばれることがあります。

主に、口や喉が照射範囲に含まれる放射線治療で起こりやすい副作用です。

放射線は、がん細胞だけではなく、照射範囲にある正常な細胞にも影響します。

口の中や喉の粘膜は、細胞の入れ替わりが活発な場所です。そのため、放射線の影響を受けると粘膜に炎症が起こり、赤み、腫れ、ただれ、潰瘍などが生じることがあります。

症状が強くなると、

  • 食べ物や飲み物がしみる
  • 噛むと痛い
  • 飲み込むと痛い
  • 口を開けにくい
  • 口の中が乾く
  • 唾液を飲み込むだけでも痛む

といった状態になることがあります。

放射線治療を受けたすべての人に、同じ強さの口内炎が起こるわけではありません。

照射する場所や範囲、治療内容、抗がん剤を併用しているか、口の中の状態などによっても異なります。

また、口内炎が強いからといって、がんに対する治療効果が強いと判断できるわけではありません。

口内炎は、我慢するしかない副作用ではありません。

痛み止め、うがい薬、口腔ケア、食べる前の薬の使い方、食事内容の調整などについて医療者へ相談できます。

症状が軽いうちから伝えておくことで、悪化する前に対策を考えやすくなります。

口内炎がひどいときに避けたい食べ物

口内炎があるときは、「食べてはいけないもの」を厳しく決めるより、自分にとって痛みを強くするものを避けることが大切です。

同じ食べ物でも、強くしみる人と、あまり気にならない人がいます。

まずは少量を試し、痛みが強くなる場合は無理に続けないでください。

酸味が強いもの

  • 梅干し
  • 柑橘類
  • 酢の物
  • トマトやトマトソース
  • 酸味の強いジュース
  • 果汁の多いシャーベット

酸味は、荒れている粘膜に強くしみることがあります。

果物や野菜を取りたい場合も、痛みが強い時期は無理をせず、そのとき食べられるものを優先してかまいません。

辛いもの・香辛料が多いもの

  • カレー
  • キムチ
  • 唐辛子
  • わさび
  • からし
  • こしょうが強い料理

辛味や香辛料は、粘膜への刺激になり、痛みを強めることがあります。

普段は平気な量でも、口内炎があるときは強くしみることがあるため注意してください。

硬いもの・表面が粗いもの

  • せんべい
  • トースト
  • フランスパン
  • 揚げ物の衣
  • ナッツ
  • 硬い生野菜
  • 繊維の多い野菜

硬いものや表面がざらざらしたものは、炎症のある粘膜をこすって痛みを強めることがあります。

食べたい場合は、汁物に浸す、細かくする、やわらかく煮るなどの工夫ができます。

ただし、痛みが強いときは無理に食べる必要はありません。

口の中にはりつきやすいもの

  • のり
  • もち
  • 水分の少ないパン
  • まとまりにくい芋類
  • パサパサした肉や魚

口の中が乾燥していると、食べ物が粘膜にはりつき、痛みや飲み込みにくさにつながることがあります。

だし、あん、ソースなどで水分を加え、まとまりやすくすると食べやすくなる場合があります。

熱すぎるもの・冷たすぎるもの

熱い味噌汁、お茶、スープなどは、少し冷ましてから試しましょう。

冷たいものが楽に感じる人もいますが、冷たさそのものがしみる人もいます。

「冷たい方がよい」「常温がよい」と一律には決めず、自分が一番痛みを感じにくい温度に調整してください。

塩味が強いもの

  • 漬物
  • 塩辛
  • 味の濃い煮物
  • 塩分の強いスープ
  • 濃い味付けの総菜

塩味が強いものも、荒れている粘膜にしみることがあります。

薄味にする、だしやとろみを利用するなど、食べやすい形に調整してみてください。

口内炎があるときに比較的食べやすいもの

口内炎がひどいときに優先したいのは、完璧な栄養バランスではなく、その日に口にできるものを見つけることです。

一般的には、やわらかく、水分が多く、表面がなめらかなものが食べやすい傾向があります。

ただし、合うものは人によって違います。

「これは食べやすいはず」と我慢して食べるのではなく、自分の痛み方に合わせて選んでください。

ゼリー・プリン・ヨーグルト

やわらかく、噛む回数が少なくて済みます。

ただし、柑橘系など酸味のあるゼリーやヨーグルトは、口にしみることがあります。

甘さや酸味が合わない場合は、無理に食べなくてかまいません。

茶碗蒸し

やわらかく、水分も含まれているため、比較的食べやすい食品です。

具材が硬い場合は、卵の部分を中心に食べる、具材を小さくするなどの方法があります。

熱い状態ではしみることがあるため、少し冷ましてから試しましょう。

絹ごし豆腐

やわらかく、口の中で崩しやすい食品です。

しょうゆや薬味がしみる場合は、何もかけない、薄いだしを少量かけるなどの方法があります。

卵料理

半熟の卵、やわらかいスクランブルエッグ、卵豆腐などは、硬い肉や魚より食べやすいことがあります。

ただし、味付けが濃いものや、表面が硬く焼けた部分は痛みにつながる場合があります。

おかゆ・雑炊・やわらかいうどん

水分が多く、やわらかく調理しやすい食事です。

ただし、熱さ、塩味、具材の硬さによっては痛みを感じます。

食べやすい温度まで冷まし、具材は小さくしたり、やわらかく煮たりしてください。

ポタージュやとろみのあるスープ

具材の形が残っていないポタージュは、噛む負担を減らせます。

ただし、トマト系の酸味、香辛料、濃い塩味などがしみる場合があります。

市販品を利用するときも、「スープだから大丈夫」と決めつけず、味や原材料を確認してください。

アイスクリームなどの冷たい食品

冷たさで一時的に痛みが楽になる人もいます。

一方で、冷たさそのものが刺激になる人もいます。

果汁の多いシャーベットなどは、酸味がしみることもあります。

少量から試し、痛みが増える場合はやめましょう。

液体・ゼリー状の栄養補助食品

少量でエネルギーや栄養を補える商品もあります。

ただし、味や濃さが合わないこともあります。

糖尿病、腎臓病、そのほかの食事制限がある場合や、飲み込みに不安がある場合は、自己判断で選ばず、医師や管理栄養士へ相談してください。

病院によっては、栄養補助食品の種類や飲み方について相談できることがあります。

一度に食べようとせず、少量ずつ試す

口内炎があるときに、いつも通り一人前を食べようとすると、それだけで負担になることがあります。

一度に食べる量を減らし、

  • 食べられそうな時間に少量食べる
  • 何回かに分ける
  • 最初から少量だけ盛り付ける
  • 痛み止めを使う時間について医療者へ相談する
  • 食べる前に、病院から指示されたうがいや口腔ケアを行う
  • 水分、だし、あん、とろみなどを加える
  • 痛みの少ない温度に調整する

といった方法を試してみてください。

「朝・昼・夕の3食をきちんと食べなければ」と考えすぎなくてもかまいません。

食べられそうなときに、食べられそうなものを少量ずつ取る方法もあります。

ただし、食事量が減った状態が続いている場合は、「少し食べられたから大丈夫」と自己判断せず、早めに医療者へ伝えてください。

食べられないことを隠さなくていい

患者さんの中には、食事について聞かれると、実際にはあまり食べられていなくても「大丈夫です」「少し食べています」と答える方がいました。

食べられないと伝えると、

「治療を続けられなくなるのではないか」
「もっと頑張るように言われるのではないか」
「家族を心配させるのではないか」

と不安になることがあります。

けれど、医療者は患者さんを責めるために食事量を確認しているわけではありません。

  • どのくらい食べられているか
  • 水分はどのくらい取れているか
  • 何を食べると痛むか
  • 飲み込むときにむせないか
  • 体重が減っていないか
  • 痛み止めが効いているか
  • 口の中に出血や白い付着物がないか

といった情報は、必要な対策を考えるために使われます。

「食べられない」と伝えることは、治療に失敗したという意味ではありません。

つらさを隠さずに伝えることも、治療中の体を守るための行動です。

毎日作るのがつらい日は、市販品を利用してもいい

口内炎がひどい時期に、毎日食事を作り続けるのは本当に大変です。

患者さん本人は、痛みやだるさで台所に立てないことがあります。

ご家族も、

「今日は何なら食べられるだろう」
「作っても食べてもらえなかったらどうしよう」
「また別のものを用意した方がいいのかな」

と考え続け、少しずつ疲れてしまうことがあります。

そんな日は、手作りにこだわらなくてかまいません。

例えば、

  • 市販の茶碗蒸し
  • 絹ごし豆腐
  • 卵豆腐
  • レトルトのおかゆ
  • やわらかく煮たうどん
  • ゼリーやプリン
  • ヨーグルト
  • なめらかなポタージュ
  • 液体やゼリー状の栄養補助食品
  • やわらかく調理された冷凍のおかず

など、開けるだけ、温めるだけで用意できるものがあります。

市販品を選ぶときは、

  • 酸味や辛味が強くないか
  • 塩味が濃すぎないか
  • 具材が硬くないか
  • 表面がざらざらしていないか
  • 食べやすい温度に調整できるか
  • 今の口の状態に合うか

を確認してください。

「体によさそうだから」「やわらかいと書いてあるから」と、無理に食べる必要はありません。

手作りできなかった日は、家族が支えられなかった日ではありません。

準備の負担を減らしながら、本人が口にできるものを探すことも、一つの方法です。

調理の負担を減らしたいときは、やわらかい冷凍食も選択肢

硬い肉や野菜を一からやわらかく調理し、本人が食べられる味と形に整えるには、手間がかかります。

一度作っても、口の状態によっては食べられないこともあります。

「毎回違うものを作るのは難しい」
「調理に疲れてしまった」
「温めるだけで用意できる食事も持っておきたい」

という場合は、やわらかく調理された冷凍食を利用する方法もあります。

選択肢の一つが、メディカルフードサービスの「MFSやわらか食」です。

MFSやわらか食は、噛む力が弱く、硬いものが食べにくい方へ向けて作られた冷凍のおかずです。

6食のお試しセットがあり、電子レンジで温めて準備できます。

公式サイトでは、お試しセットは定期コースに限らず、不定期で購入したい方も利用できると案内されています。

ただし、この商品は放射線治療の口内炎を治療する食品でも、口内炎がある方全員に適した食品でもありません。

口内炎の状態や献立によっては、

  • 味付けがしみる
  • 一部の具材が硬く感じる
  • スプーンでさらに潰す必要がある
  • 飲み込みにくい
  • むせる

ことも考えられます。

また、おかずのみのセットなので、おかゆややわらかい主食は別に用意する必要があります。

飲み込む力が弱い方、食事中にむせる方、誤嚥の心配がある方は、自己判断で利用せず、主治医、言語聴覚士、管理栄養士などへ相談してください。

口内炎が強く、水分ややわらかい食品も取れない状態では、宅配食を探すより先に病院へ連絡する必要があります。

一方で、

  • 硬いものはつらいが、やわらかい固形物なら食べられる
  • 本人や家族が毎日調理することが難しい
  • 冷凍庫に温めるだけの選択肢を置いておきたい
  • まず少量のお試しセットで確認したい

という場合には、検討できる選択肢の一つです。

献立、現在の価格、配送条件、栄養価などは、公式サイトで最新の内容を確認してください。

MFSやわらか食の6食お試しセットを公式サイトで見る

リンク先でセット内容や価格を確認し、買い物かごからWEBで注文できます。

食べられないとき、家族はどう声をかければいい?

食事量が減っていると、ご家族が心配になるのは自然なことです。

ただ、

「ちゃんと食べた?」
「もう少し食べないと」
「せっかく作ったのに」

という言葉は、本人を追い詰めてしまうことがあります。

代わりに、

「今、食べられそうなものはある?」
「冷たいものと常温、どちらが楽そう?」
「今は無理なら、少しあとにする?」
「少しだけお皿に出してみようか?」
「病院に相談するとき、食べられた量を一緒に伝えようか?」

と聞いてみてください。

食べる量を家族だけで管理しようとすると、支える側も疲れてしまいます。

「何とか食べさせなければ」と、家族だけで責任を背負う必要はありません。

水分や食事が取れていないと感じたら、医師、看護師、歯科医師、管理栄養士などへ相談してください。

次の診察日を待たず、病院へ相談したほうがよい状態

食事の工夫をしても、痛みが強くて食べられない場合があります。

そのようなときは、我慢だけで乗り越えようとしないでください。

特に、次のような状態がある場合は、次回の診察日を待たず、治療を受けている病院へ連絡してください。

  • 水分がほとんど取れない
  • 薬も飲み込みにくい
  • 数日間、食事がほとんど取れていない
  • 尿の量が明らかに減っている
  • 短期間で体重が減っている
  • 痛みが強く、処方された薬を使っても十分に楽にならない
  • 飲み込むときに強くむせる
  • 食べ物や水分が喉に引っかかる
  • 口の中から出血している
  • 発熱がある
  • 口の中に白い付着物が増えている
  • 口の中や喉の症状が急に悪化した

病院では、痛み止めやうがい薬の調整、口腔ケア、食べる前の薬の使い方、栄養補助の方法などを相談できる場合があります。

必要に応じて、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、言語聴覚士などにつないでもらえることもあります。

誰に相談したらよいか分からないときは、まず治療を担当している診療科や放射線治療室へ連絡してください。

まとめ|口内炎で食べられないときに覚えておいてほしいこと

放射線治療による口内炎で食べられないつらさは、外からは見えにくいものです。

でも、食べられないのは、本人の意志や努力が足りないからではありません。

刺激になりやすいものを避ける

酸味、辛味、強い塩味があるもの、硬いもの、表面が粗いもの、口にはりつきやすいもの、熱すぎるものなどは、痛みを強めることがあります。

すべて禁止するのではなく、自分にとってしみるものを避けてください。

やわらかく、水分の多いものを試す

茶碗蒸し、豆腐、おかゆ、ゼリー、プリン、ポタージュなど、食べられそうなものを少量ずつ試してみましょう。

冷たい方が楽な人もいれば、常温の方が食べやすい人もいます。

自分が痛みを感じにくい温度を選んでください。

一度にたくさん食べなくてもいい

一人前を食べきることや、1日3食にこだわりすぎる必要はありません。

食べられそうな時間に、少量ずつ分ける方法があります。

手作りできない日は市販品を利用する

レトルトのおかゆ、市販の茶碗蒸し、豆腐、ゼリー、やわらかい冷凍食など、準備の負担が少ない食品を利用してかまいません。

本人も家族も、毎回一から作る必要はありません。

調理の負担を減らしたい方は、MFSやわらか食のお試しセットも選択肢の一つです。

ただし、口内炎専用の食品ではありません。献立や口の状態によっては食べにくいこともあるため、少量から確認してください。

MFSやわらか食の6食お試しセットを公式サイトで見る

水分や食事が取れないときは早めに相談する

食べられない状態を隠したり、次の診察日まで我慢したりする必要はありません。

医師、看護師、歯科医師、管理栄養士などへ、どのくらい食べられているか、何が痛いかを具体的に伝えてください。

食べられた一口も大切です。

同じように、食べられないことを医療者へ伝えられたことも、治療中の体を守るための大切な行動です。

免責事項

本記事は、放射線治療による口内炎と食事に関する一般的な情報を提供するものであり、個別の診断、治療、受診の要否を判断するものではありません。

紹介している商品は、放射線治療による口内炎の予防、治療、症状の改善を目的とするものではありません。

口内炎の症状、食事量、水分摂取、体重減少、薬の使用について不安がある場合は、治療を受けている医療機関へ相談してください。

商品を利用する場合は、原材料、アレルギー表示、栄養成分、食事制限との適合、食べやすさを確認してください。

飲み込みに不安がある場合は、自己判断で食品の形態を決めず、主治医、言語聴覚士、管理栄養士などへご相談ください。

参考情報

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